曇天をシュレッダーにかけ また散らし鰯雲にする 生活の知恵
故郷のハワイは今日も快晴と フラ習う君岐阜生まれじゃん
歩けない靴を履いたらその次は なんも入らないカバンを持った
父さんのバンドに入りたかったな そう言って友はサックスを売った
あの家に要らない父母が住んでる と泣くミサを寝かしまた少し呑む
熊なのか?兎か車?いや花か 私に手を振るあのシャツの柄
鳥たちがめちゃくちゃに飛ぶ絵 の付いた別れる時だけ使う便箋
ちかさんは映画の好きな人でした わたしの知らない「婚約者」の姉
この人は運命の人と笑う母 ただのオヤジを愛してる母
映写機の前に立ってる先生の ひろい背中にラテンアメリカ
美人でも禁止事項があるなんて そうかな私はそう思わない
カーテンが揺れる2021 世紀末がまだ来ない朝
眠るなと瞼の上に塗る黄色 新宿に今日も降るラメの雨
秋空の綿あめ隣の谷さんの シロは父より美容室に行く
街灯に青い蜜柑が照らされて 遥かな三叉路 眼で見る夜風
涙して再会したけど切なくて 夢なのになんか硝子越しでさ
借りたまま返せていない色鉛筆 未来はないの二人にないの
学校に来ない電話も出てくれない まきちゃんも見てる台風の窓
九万のDVDBOX 命より貴いはずだ 火事なら持ち出し
辛いのに今日も眉毛を描いてみた 平安時代とおんなじ悩み
人生は全員の中にあるらしい キモいけど歴史それでも歴史
悲しくて痩せる子太る子 普段なら食べないグミを 致死量買った
死んだことになってる人を 好きだった私も死んだ ことにしている
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