絡まって解けぬ人間関係に トライアングルちーんと鳴らす
担任はもぎもぎ 首の皮を揉み 子どもはみんな嫌いだと言う
オカリナを吹くとき ぼくのくちびるは つんとポピーのように色づく
留年の危機ひたひたと冬銀河
それは詩じゃないと言われて 抱いていた花びら ぜんぶ散ってしまった
まだゆめのとちゅうにいます おでんわは花のふるひに かけてください
約束をやぶりやぶられ べりべりと 自分を剥がしながら生きてる
生きている間になんど 人の死に触れるだろうか 雪落ちる街
恋やぶれ春雷につく嘘もある
合唱は天に吸われて秋夕焼
牛丼をかっこむ時の 脳内を泳ぐ しあわせそうなうしたち
そこだけが明るい星のようだった きみが小指へとんぼ呼ぶとき
かちかちの山のたぬきの これからを知らずに 君はねむってしまう
ぶらんこの影伸びてゆき ひとりって寂しいんだと あなたは気付く
またひとり来て 仔うさぎを撫でていく
寒月や来世はヒトじゃなくていい
土手の花ぽんぽこ咲いて ぼくたちは大人になんか なりたくないよ
大雀蜂ぶんぶんと空気蹴る
泣かないで ぼくの鎖骨をふたつずつ 割って弓矢にしてあげるから
春雨を フォルティッシモとする楽譜
きみという孤島を ぼくは背泳ぎで目指すよ、 それも全力のやつ
大欠伸するとき胸にある花野
耳たぶを揉めば たしかに生きている わたしの脈のすこやかな伸び
ここまでが夜、と チョークで線を引く 越える子どもを減らせるように
ねむれない夜に数える こひつじが二千を越えて 帰ってもらう
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