寂しさは気がつけば夜に すみわたる 雨の気配に同化する僕
いつもより深くソファに腰掛けて 紅茶が嫌いと言い出せなくて
青空をたたむみたいに 贅沢な気持ちで洗濯物をたたむ日
板書する先生の手がふるえてる 僕たちだけじゃない初めての春
さみしさを擬人化している 人といて 丁寧に織った折り鶴をあげる
さくらが散ったあとで 花見をするような父でした
一時間終始笑っていた人が zoom終わりに晒した真顔
社会という未知の重力 僕たちは飛び立つまでの助走の さなか
百葉箱に隠した春の乳歯 なかったんだよ はじめから
父がまた油絵を描き始めた ぼくもまた詩を書き始める
恐竜の寂しげな足跡を辿れば 正面に見える白菊
星ばかり瞬く僕の ふるさとの雨後の匂いに張りつく 夜風
液体が気体になるときの疼き 知らない猫が知らぬ間に死ぬ
やさぐれた犬と仲良くする 夜は年下上司の説教を浴びる
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