新刊を帯のまま貸す こんなにも 誰かを信じる朝が来ること
喪った恋には恋で蓋をする それらを貫いていく背骨
天高し それでは自衛の時間です
Summerの筆記体は簡単 きみの気がすむまで 波を書き足せばいい
離したくないもの 例えば もこもこのパンツで会える男友達
飴玉のように あなたのさよならを 転がして たまに歯を当ててみる
口を開けたまま寝ないで ラの音が漏れたら 宇宙に気付かれるから
消える(雨、電話、うなぎの骨、 時効、お前を泣かす全てが)魔球
なきごえを訳出しない人工知能
反省文第二段落 押韻の嵐が体育教師を襲う
春霖にコンクリートは冷え切って 夜の桜は垂直落下
水面を揺れる光に酔いながら 犬かきでしか進めない街
宮殿に住んでる人しか使わない 長さの充電コードが半額
ハローしか喋れないころ 洋楽は今よりずっと音楽だった
くたくたのおうどんすする くちびるに とーとろじーをみつけてみせて
声帯に跳ね返された言の葉が 青く蠢く右手の静脈
これが恋ではない理由を滔々と 述べて急行二本見送る
純白のシャワーサンダル つまさきで触れたとこから 海がはじまる
ぼくたちは 落下しながら探してる 一番星になれる夜空を
つぶれちゃうほど抱きしめて ほしいから 急所を見せつけながら歩いた
少年の心は澄んでいるからね 割れば簡単にきらめくからね
ハードルを全部倒して 駆け抜ける校庭 春はわたしのものだ
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