撤退戦みたいな空の色だった 優しさばかりすり減るような
二百円弁当食べる沈黙に ヘリの羽音がしつこく響く
両の手をひらいて 受動喫煙を飲み下す ラジオ体操みたいに
虫を殺して川をガン見した
親族がみずうみの手を跳ね返す
路線図に抽象的な皇居があり だんだん触ってみたくなってく
滅ぼして滅ぼして手のあたたかさ
よりやばい光の方へ たったひとり 過激な六畳一間の底で
流浪してやがて松屋に打ち上がる 都市で行方の知れたぼくらだ
脳も肉 すきな水辺を教え合うことにも 身体が必要なこと
カップラの湯気が めちゃくちゃ頑張って 重しの箸をどかしてしまう
がんばれ他者 がんばれ他者のみなさんが 後生みたいに抱えてるもの
がんばったとき脳内を駆け抜ける 春の小部屋のカーテンのこと
街の隙間を フルーツサンドやタピオカが 埋めてお化けの居場所が減った
日高屋でラ・餃・チャセットを 待つ間、 許されている、許されている
起きぬけに近視が光を散らすまま 針一本の謀りごとする
川は放っておいても育つ
パワートゥザピープル ドンキの内奥で 呼び込みくんを抱きしめている
そういうリアリズムの家かな
街中でダブルピースしてもひとり
イオンで光まみれになっている
お魚さんはみんな頭がおかしい
やさしい寄生虫をください
生まれたら、でいいよ、器、割れ そうね
痩身にSDGsが込み上げる
可愛くてカフェイン過多で大丈夫
ぼくたちのかわいい性嫌悪は瀕死
腰骨に花火みたいに咲く痛み
ぺきぺきとエビの素肌を暴き出す 手つきで触られてる くやしい
世界をひとつのツッコミとして
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類