行き過ぎた比喩を反省しながらも 膨らんでいく色彩のこと
片虹を架けるみたいに 脇腹を伸ばして過ごす 雨の土曜日
生きていくことはくるしい 「飽きっぽい」 それが私のカメリアなのに、
いい日です。 今日はやたらとタッパーの角が 綺麗に洗えますから
窓を叩く雨にならって 人間を信じる強さがほしいと思う
生き物を裂くようにして洗う手に 伝わっていく水の葉脈
想像で浮ける死海があっていい 鼓動にも酔ってしまう夜だし
放たれる風を言葉にするために 鼓膜をぴんと張りなおす冬
雨が降るように手紙を書く人で 寝ながらあくびをする人だった
日常に歌を 例えば、買い忘れた 小葱のことを思い出すように
爆笑とはやわい窒息 昼間には 思い出せない深夜ラジオの
友だちが子どもを産んだ。 ウミガメにも 鎖骨があるって思い出した
めんつゆのような祈りを捧げます 汎用性はすごく高いです
模試の結果 捨てられないのに成人式
本気とか恥ずかしいやん大試験
呼ばれても振り返れない道だから 喉の水面を震わせて泣く
進路指導受けても まだ雪になりたい
秋の月 行き方 徒歩で.com
イントロで梨を齧った音がする
内定は花野にあるって聞きました
さくらんぼ 私が兄の世界線
薄氷のような体重計に乗る
もろこしが 捥がれるように 傘折れて
どんぐりで支払う姪のハンバーグ
キャラクター葬という名の卒業式
廃番のチークみたいな秋夕焼
五月雨が僕にだけ降る不登校
追い風と向かい風に挟まれて死ぬ わたしが花なら栞になれる
切り花のように俯く人たちの 花器として来る快速急行
泣くための助走はやめる 一生の八割方は雨天決行
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