一次選考通過作品
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純粋な浮遊感では帰れない
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足元の冷えうすらいでわすれられ やたら大きくなる開口部
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流星が消えて冷え込む独り言
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苦しみが生きる力になった 十五の夏 シェルターの屋上は まるで天国だった
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空中にたぶんあるイライラの種
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絆創膏 剥がしたあとの くるぶしに 風のどうにも速い鼓動だ
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炊飯器からただよう さつまいものしっとり
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みもざみもざ ひかりは余白めくミモザ
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鮨詰めのソメイヨシノが嬉しさう
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言語野に二人と ろ っ ぴ き ぶ ん のくち
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鱗粉をそれぞれまとう春の星
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まっくらな広場でひとり 傘を回して 私こんなに息ができます
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戦前の空気に浮かぶシャボン玉
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川の水がどこへ行くかも 知らないで わたしは親の顔をしている
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天平の瓦の色と間違えた 私にいいね有馬朗人は
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ろうそくを灯すふりして人生は 牡丹みたいに二回吸う息
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君らしい仕返しだった 朝顔がほどけて夜を 終わらせてゆく
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私の地獄に 手を差し伸べるな 糸がなくても きっと着くから
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辛いときお側にいますカーテンの 隙間で育つ春の迷い子
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アトランダムに湯豆腐の角潰す
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梅めじろ夕ぐれ東海道線
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心のこりの星を置かれる肺の裏
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前髪は小声のようにふれあって おたがいの冷静を崩した
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点滴のパックに水は透きとおり その向こうの扉が歪んでた
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しおり紐ほどけ さざめく光と影
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回されてピザは号泣しています
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心が素敵にゆらゆら、 人間の不確かさを 初めて愛したくなった あなたが好きだ
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ひとかけら プラスチックを 歯に詰めて 私はいつまで 私でいるか
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風を飼うひとのからだは穴だらけ 抱きしめるのに最適だから
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心臓へ落ちてくるのがはるの雪
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きみを真似て お辞儀草のまぶた ねむいであってもうれしい毛なみ
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壊れないようにと 奥歯を食いしばり 人間らしくないフリをする
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窓枠が小鳥に恋をしたときの 好意の伝えかたは沈黙
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虐殺忌だった わたしのよふかしが キメラにしてゆく酸素と炭素
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嘘ひとつ雲散霧消 冬銀河
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肌はむらさき帆を食べる生活に虫
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春めいてボーカロイドの歩き方
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猫の恋 プラスチック引き剥がす音
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憧れのひとの齢を抜かすこと その時すこし速くなること
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父を待つ冬の海辺のファミレスで
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