一次選考通過作品
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滑り台の韻律のまま靴をぬぐ
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花冷えに主題のファゴット シンフォニー
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遠く母子 昔 昔の 春霞
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彼女は猫を、両手で抱き上げて、 「さよなら」と名付けた。
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幸福を知らぬ僕らのように 深海魚は滴を知らずに泳ぐ
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真夜中の観覧車から 流れ出る水銀
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春結びする方の手がいたみます
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夢の中で自在に泣いてみるなんて 湿潤療法的な処置だね
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臆病者め、 よだれ掛けをして 嗜む程度の 会話ばかりだ
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滝の裏どこまで行っても何も無い ことが嬉しいゲームをしてた
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引き抜いた鍵は 果実の残り香があって 四月の夢だとわかる
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鍋のなかネギの中心ほぐれだす うまく話せなくたっていいよ
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胡麻団子つぶれて誰が孫ですか
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オキザリス喫煙所は戦争がない
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天国に行きたい人は左です。 右に行きますとコーナンプロ
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改札をしゃぼん玉あふれるように
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銀座では初月無料の雪が降る
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真夜中の制作開放席に楡、
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お別れ、なー あなたと代々木公園で カップ焼きそばを食べた時間
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魂じゃなくなってからまたおいで
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将来の夢を幾つも諦めて 造花をぼんやりと忘れたくない
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書いても書いても ブルドーザーのように春
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東京はゼロ年代の金魚鉢
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老眼鏡から桜眼鏡に変えたんだ 春がよく見えるよ
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ひまわりに赤い首輪をつけてやる
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友達の話だけど、と うそぶけば 並行宇宙でくしゃみする僕
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桜の森の満開の下、 私のチョコリエールは消えて しまった
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馴染まないハイヒール鳴く 竹馬はあんなに得意だった三月
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笑うしかなくなった補助輪つけて
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なまざかな裂けばあかるむ ひとすじに 春はあらゆる余白の岬
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鐘霞む 精神薬の飲み忘れ
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花吹雪、動物脳でいいのです
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クエスチョンマークを 最もきらめかす色を 四月のLOFTに探す
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暗闇を毛布のようにしまう姉
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恋と知る 桜が降っているのを見る
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ドレープは濃くゆふぐれの喉開く
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雑草が点字ブロックを覆うまで 国道沿いでうっとり暮らす
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人類とタメ口不可で合意する
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花の陽気を手に 芋焼酎 あずき茶と飲む パステルイエローのカーディガン
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木蓮の蕾ふくらむ わたしにも 殺したいひとひとりやふたり
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