一次選考通過作品
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自転車で駅へ向かう。 雪虫が次々とくっつく。 ああ、今年も冬が来るんだ。
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袖口はとうにほつれているけれど 見上げた空の罅のきんいろ
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前職は天使でしたと言う人が 休暇のたびにくれる綿菓子
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洗顔の途中でふいに思い出す 君が着ていた Tシャツの青
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マーブルチョコの秋色を君に。
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納豆を混ぜるところを詠んだ歌 百首くらいになれば幸せ
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晩秋のスプーンに私逆さま
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喉仏ですと翡翠を託される
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唇の摩擦でびびと鳴らしては 火を浮かばせる九月のキツネ
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二十三時でコンビニ、閉まるんだ 二十六歳で友達、死ぬんだ
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スタバの氷溶けきらなくて秋
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音を鳴らすには 空洞がないといけないから この寂しさは僕の音楽
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すけとうだらなんですけども だめですか
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神さまの 夢をみている さまざまな 孤島をきつく 抱き寄せながら
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妻と居たおうちが売れた 三進む
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ページを繰る君の 長いまつげに宿る 木漏れ日
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草原がひかりを貸してくれるのは 少年のあこがれをやめるとき
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豆腐には角を鍛えてもらいたい
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きんもくせい ぱ ららぱ らら ゆうほどう きのうのきょうは みらいのはなし
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犬ころ石ころ宝ものに芒
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言うなれば慈愛の印冷奴
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乳歯ってささやかな牙 イヤイヤと泣くとき 口は大きくひらく
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枝豆の莢捨てに戦火をくぐる
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スマホから 目を離したら 目の前で 家族がごはん 食べていたんだ
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薔薇園のジャムは伸ばされ月曜日
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落丁や乱丁どもの死んだあと
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ひとすじ稲妻 未来の未は木偏
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「うまいこと産んだね」を 聞きながしつつ 買い物カートは加速してゆく
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月命日サフラン畑に釘を踏む
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クラウチングスタートの尻夏近し
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太陽を隠れ家にして わたしたち 賢者の顔をして笑いあう
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猫のいた出窓にいまは サボテンを置いて 水やりを忘れがちです
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台風圏に向きの揃わぬガスボンベ
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いけのみず抜いたら みんな目が合うね
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恐竜はくびたゆませて 探してた この世に匹敵する一日を
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彗星のようにあなたは現れて、 しんどい、 映画館のように困るな
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アナログの時計 地球の裏側なら直さない
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分度器を握りしめてた七五三
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蚊一匹洗面台で死んでいて ティッシュしてから歯磨き粉吐く
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ラジウムは光るから 芒 二人で走る
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