一次選考通過作品
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逃げ水の如き水母の揺らぐ朝
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雨水をろ過して使う いつからか こころのなかに 孤児院がある
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花の雨きみにつばさはなくていい
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すりガラス越しに見ている総動員
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あめだよ ひかってるのは みんなあめ、 だからだいじょうぶだよ、 おやすみ
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お玉の中の味噌を溶く 宇宙と交信する時間
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遠雷を追って母の中へ還る
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トマト熟る青年であることである
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劇場をあとにして 街を外れたら 行方不明のまま夜が明ける
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香水の名前を夜に打ち明ける
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やせおとこ背すじをのばせ麦の秋
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雉ほろろ あくびがうつつたオムライス
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夏風邪にながめる空は 焼きついた液晶 じきに交換するよ
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あなたは円錐 まるくやさしく見えたのは わたしが下にいたからで
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パンジーに見つかって青鬼が来る
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大雨にワイパー 時の流れが遠くなる 闇夜にぼける光が微かな現実
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啓蒙のような霙に濡れている
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病人の方が元気な顔をして ホームを奥へ奥へと歩く
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日曜のバターは溶けて トーストは淡い光の埋立地となる
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正しさに あらゆる花は咲いていて 真水で育てられた鳳仙花
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声のように果汁をしぼる おたがいの 極夜の見せかたがわからない
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池田小事件にゼミの女子たちが 共感してたでも今おかん
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噂話がゆっくりとまわされていて 蓮のしずかな呼吸をまねる
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橋脚が海を憶えぬように昼、 わたしを走り過ぎる子どもたち
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空っぽに宙返り すごいはやさで
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虫刺されかゆくて 僕もリサイクル容器
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痛くないなら死んだって構わない おでこで割ったたまごがふたご
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魚だった、光だった、と思い出す 五月の遊歩道を歩けば
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デフォルメが二回済んだら 帰ろうか
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くちなしの花 さびしさう くづれさう
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不成就日気にしない生き方 今日も世界は美しい
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せいかくな息継ぎせいけつな裸足
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檸檬から逃げてきた 京王線色
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いつもより月が大きく見えている 身に覚えのない請求がある
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インスタントコーヒー じかに振り入れる 音楽はとても手が好きみたい
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苦しみが粘度を増してくるぶしの 麓に 降り積もるのを見ていた
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ぶつかったあいつも 人生観の結晶体
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六月だ何枚皿を割ろうかな
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つきめいにち そらくらくして いのるごご みみのかたちに たぐるロザリオ
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涙がピントを 合わせてくれる 私を連れていく トムソーヤ
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