一次選考通過作品
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ネクタイで骨ごと縛っている夜も あまねく不敗神話がつづく
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泣いてません 活断層の真上には 新台入替の旗は 一七本です
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割り算を思いついたのは 曇りの日 庭のよもぎをつんでいたとき
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濡らすために用意された浴室の 椅子に六月が腰を下ろす
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あい、まい、みー、まいん 義妹の踏む饂飩
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本心に到れば夏の田園で、 二両編成にて只中を
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昨日見た夢の話を分け合って 指先へ来る 蔦のひとすじ
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花火炸裂の夜明けを思いだす 頭の骨に守られる夢
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生まれ方なんて知らずに 洗剤の泡が弾けるお皿を見てた
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ドリアンは持ち込み禁止夏の果て
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祖母が嘘をひとつ忘れて坂七分 転がり落ちる油彩の林檎
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私は地獄に落ちる あなたが下を向いた時 話を聞いてやるために
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あすなろに巻かれるほうも 悪いのよ
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わたしにも 木から楽器になるような 細胞がありたまに淋しい
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浴槽で寝転んでわたしたちだけ つくる秘密の水族館よ
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遊んでる黄色い小鳥撃ち抜いて シネマに帰す甘い夕暮れ
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藍色に女性を染めた円グラフ 突き返されてフル・フレックス
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会わないと 決めて四年が経ちました あなたの苗字は 確かサ行
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目の下をきみの人さし指が撫ぜる レーザーで取れる星を数えて
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火のなかの熱さを思う 剥製に できるならしたかったものもの
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八月をめくる 丸印のあの日ごと
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革命の理由となった句読点
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着なかったワンピースは静か、夏
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まんまるで ほめられるのは つきといぬ
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天空に瀑する油圧のハ長調
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フエラムネ 誓って一度もありません
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黄色い線の内側と コンクリの上の白線が 同じ意味持っていた夏
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洗濯を待てる涼しさ 旅続く
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脳のなかジンジャーエールで 流れている
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カンナ朱にカンナ黄に咲く千の唇 (くち)
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十二階右から三番目の部屋の オレンジ色のモールス信号
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せのびして届く月ならいらないよ をれの怒りは無修正でひかる
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まだ夢があってよかった また建て直せるという 約束 は だめだよ
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試すなら一番よい方法をつかう 翼のあとを掻く手を止めて
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初めてで楽しかったね ぐちゃぐちゃの六畳一間の小宇宙
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ツクツクボーシが 半クラッチで鳴いている
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教室にうつくしく在る ひとの眼は とおくの風にとどめなく向く
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抱きしめる前のかたちに手を広げ 平均台の上を歩いた
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和菓子、買って帰る ただの休日
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東京の不眠で綿菓子をつくる
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