一次選考通過作品
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飛行機の匂いのことを私たち 空の匂いと記憶している
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沈黙を 噛んでひらいて立葵 わたし固有の炎をもって
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企画書の死骸の横で分け合った フリスクほどの薄い連帯
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許されないこと許されること 火を通さない豆腐やわらか
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日曜に蚤の市まで出かけよう 役に立たない飾りを買おう
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たんぽぽの綿毛みたいに愛してる ふっ、 てしないよう気をつけている
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マウンドで話してバッテリーの夏
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タオルケットとわたしは夏の 王と女王のように振る舞う
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短夜に割れるこころの断面に ふるえるオパールは水の石
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ら抜き言葉でwagyuになった
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街路樹を上手に避けて、横顔は 見られていると知っているそれ
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昨日より一乗車口番号分 海岸寄りで待つ高崎線
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手の汗が自分のものではない ような 夏の午後に踏切を渡って
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風薫る川の向こうの野球場
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人々のスマホは夜光虫めいて 夜の街でも泳いでいける
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引っ越せば遠くなるのは 知っていてでもわかっては いなかった 海
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京野菜並べてここもゴルフ場
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病んでいたことを話せば 夏雲は 知人のように広がっていた
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うすぐらい明かり、 階段 降りたら忘れる 夕焼けを浴びて、かえるから
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麦茶にも鱗はあるよ 夏空の下でかがやき 喉へ流れる
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ふわふわの桃だと感じるのは 皮膚があるからだ 膜のないむき出しの世界は痛み
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十六夜にレアチーズケーキぱたり
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群がって餌をついばむ鳩のこと 見飽きないけど行かなきゃだから
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鰓呼吸 僕は海が怖くなって フィレオフィッシュに コーラをつけた
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青空の裏側を見た少年は もう鳥の言葉しか話さない 蟻の行列についてゆく午後
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蜘蛛の糸つかみ損ねて真夏の匂い
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忘れ物 待ち受けは 中村久子
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こっ、こっ、国旗 こっ、こっ、こっ、こ
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オーロラのように涼しい風が吹く
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煌々と照らす私じゃない発明
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説明をしているうちに秋彼岸
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晩夏光半分書いたラブレター
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遺書を書く 残念 魚釣りになる
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海峡は封鎖 ポテチの油をよけながら 中指で繰るネットニュース
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揺り戻しかもね かき氷が痛い
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フリクションで 書き留めていた物事は よく冷えた日に思い出される
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正式な人魚になるための名前
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サッカーをしているような風の音 やんで聞こえるモーターの音
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洗面台に水を流したまま冬が 記憶に落ちてゆくその過程
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なんだっていいや勝手に風薫る
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