一次選考通過作品
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背景を好きな画像に変えながら 暮らす羊はさみどりのなか
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夏雲が選んだ墓地で 水色のメゾンのメの字が つばめに見えた
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雲の峰 ラビリンスへの眩暈
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てのひらで水道水を受けて飲む 汲めるのはおよそ一人分だけ
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金木犀と火薬のにおい わたしの爪の 赤いマニキュア
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胸郭の内に仕舞った善性が セロリのように咲いてしまうよ
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みつを吸うように 羽ばたかずにせっぷん
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煩いと 殴りたくなる向日葵は 微熱以外の体温知らず
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わたくしの中には誰も居ませんと 人型AIの言うわたくし
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すりガラス越しのモナリザを じっくりと描き写すうちにまた 陽は落ちて
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消えたはずの詩を 透明な光が 差し込んで写す
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葛切りは夏をだまして
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トンネルを 潜るあいだに間引かれた 夏の光を向日葵と呼ぶ
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二口のコンロの一口だけ使う そのような人生での幸福
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濡れ衣は自分から着る野良しっぽ
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いえる過去いえない過去が ながれてく 運河にうかぶ月のきれはし
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お砂糖もミルクもなしに 空いた手で 君が時折り混ぜる珈琲
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贖罪は蒸れてダリアの渦なんだ
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むかしむかし あるところにではじまって とっぴんぱらりの ぷうで去りたい
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錆びついた箱の中には サイダーの こぼれた跡のやうに 夜です
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Tシャツの壁にすっくと地震来る
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霧が出ているから ここは海の中 アフリカとつながる ひとつの手段
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夏の果て、私は確かにここにいて 出航の感じで話し始める
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純粋な暴力として降り注ぐ プラネタリウムの偽物の星
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図書館の静けさへ 鉛筆を一本借りて帰る
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飛行機の匂いのことを私たち 空の匂いと記憶している
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沈黙を 噛んでひらいて立葵 わたし固有の炎をもって
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企画書の死骸の横で分け合った フリスクほどの薄い連帯
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短夜の公園いいよパジャマでも
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文字を打つ独り身蝉の声をきき
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いのちって仕組みじゃないと 言いにきて 銀河のような渋谷にひとり
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縁側の夢を見て まぼろしの猫を抱く ありとあらゆる果実が生っている
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願った頃には 過ぎた七夕
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許されないこと許されること 火を通さない豆腐やわらか
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日曜に蚤の市まで出かけよう 役に立たない飾りを買おう
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蛹の中身か ブルーハワイか 私が液体だとしたら
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そうやって わたしを忘れていく人の だんだん夕日に顔を奪われ
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たんぽぽの綿毛みたいに愛してる ふっ、 てしないよう気をつけている
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マウンドで話してバッテリーの夏
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タオルケットとわたしは夏の 王と女王のように振る舞う
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