一次選考通過作品
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プラタナス逆光に立ち この夏の たぶん忘れてしまったことも あるだろう
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七月の部屋に 埃がかさなる 掃除をしていないから 這うような雨雲
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パレードの終わりのように笠地蔵
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かぐや姫と同じ今日がバースデイ 蓬莱の玉の枝だってきっと貰える
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隣人のアラーム鳴っている小暑
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馴れ初めは 銀の葡萄の噛み心地 くだらないことばかりをやろう
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アイビーのツルみたいな絆だけ おじいちゃんとは繋がっている
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ナップサックの片隅で 越冬した蜜柑を 発掘した朝 もう梅雨明け
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蝙蝠ごと天然記念物の洞
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スポンジは まだ固いまま 「ちゃんと食べてるよ」 と送った夜
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助けてもまだまだまるい五角形
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横断歩道の真ん中でさよならを すればもうじき星が降る夜
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箪笥より服のはみ出て玉蜀黍
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怪人は哀歌 アジサイどこまでも
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ゆーことを きーてるひとの ゆーことを きーてることが 所属すること
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頑張りをベッタリ貼ると 多少汚れる
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蜜蜂の甘いべた付き 半夏生
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気晴らしに植物になる枯れてみる
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アネモネをいつか挿したい感情が 花瓶を花瓶たらしめている
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シャープペンシル 木の机に突き 立てて立つと 墓標である
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口紅を塗り直す間をください
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ゼリーから摘出されていく何か
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カルピスにいくつか夏が 混じってる
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花吹雪喧嘩に手話が速くなる
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雨で割る酒の底に ふるさとの匂いかすかに
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無理かも、を 「平気」と読ませる 母は夜 ルビを丸めて掃除機で吸う
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屋上から屋上見えてまた別の
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泣いているひとが アラームすぐ止めた
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外は雪 自尊心だけウーバーで
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わたしにも老後がある と気づくとき 鏡のなかに立つ人ひとり
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堂々とぶつかつてゆく鬼やんま
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蝙蝠の垂れて電光掲示版
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明滅する街灯 ラジオはひっそりと ベテルギウスの減光を告げる
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遠視でよかった あなた以外がよく見える
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いちばんじゆうだ あいすきゃんでぃを舐め歩く夜
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猥褻に笑った(自殺しなかった)
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好きだとは今言えないよソーダ水
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憧れはやがて明晰夢になって 星のドレスを私は選ぶ
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悪夢っていつでも水族館なのね
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マイページ また白いまま 梅雨の朝
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