一次選考通過作品
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ジグソーパズル角から埋めるよう に春
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中指で眼鏡のズレを直す君 その一瞬の横顔が好き
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花吹雪までは一緒にいたいから ショートケーキの苺を守る
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気になった背表紙 さがしにもどっても 見つけられないような魔法で
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ぬか喜びも、一つの確かな喜び
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夕方はアルファベットのKが好き
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裸木へ月光接いでいるだれか
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鉛を飲んだような 声をして生きる僕だよな
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はにかめば 視界のメガネフレームの 下辺を隠す頬骨がある
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仕送りの箱に巻き付くガムテープ 剥がす孤独の爆弾解除
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たんぽぽを 吹いてあなたを 許し切る
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海市より 戻れば爪に 肉がない
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こんな寝方をする奴が 寂しくないわけないだろ、 サメがよ
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カロートへ鎮まる彼を見届けた あの日の雲と語り合いたい
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政府としては肉の立場から述べる
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一番好き ほんのり待つ季節 七二回目の春
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晩飯をどこで食べるか決めかねて 背筋のような国道に出る
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白く浅く幸福は来よ バゲットが オイルに触れるための平皿
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手を取られそのたび 光るフィラメント、 僕もあなたもいない五月の
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B級の走馬灯しかここにはない
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ペン立てに 多すぎるペンの一本を引き抜く 冬、という顔をして
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三蔵法師になったら会えないよ
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レタス裂く なるべく派手なマニキュアで
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すれ違いの轍 重なる 十八の心に メロンパンのざらめき
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がんもどきにらむ 五歳のつむじから にじみだす紺いろのちんもく
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合歓木の寝言を踏んで雪うさぎ
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雪月夜 事故に遭うまで駆ける橇
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牛丼を捨てて川沿いだらけの日
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口腔という 広場をひらき待っている 鳥やわたしが来るそれまでを
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海馬がパンクしたからか 夢にあふれでた 香箱座りの猫
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純粋な浮遊感では帰れない
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足元の冷えうすらいでわすれられ やたら大きくなる開口部
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何もかも 省略の上割愛で ちいさくなって眠ります 春
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死について話す この世に埋められた 電柱の夢を見ているように
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テニスコート創世譚を打ちかえす
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君に向け勝手に塗って染め上げる 好きとはまるで絵具みたいだ
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流星が消えて冷え込む独り言
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お見舞いに白木蓮の枝ものを
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見えている離島に向けて想像の クロールは好きだった泳法
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幾千の歯を引き抜いて歯科医師は 去っていく雲ひとつない青
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