一次選考通過作品
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テニスボールに秋雨が染みている
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銭湯のシャワーは壁に固定され 誰もが同じ高さでうつむく
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磨り硝子ごしのドナドナ聞く夜の 他人の故郷はみな湯気のなか
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愛しさだけモンタージュして 余白は深爪で掻いた
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わたしへと海はたびたび ならされて すみれのような耳を見せたい
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人柱の清いたましいに見立て 林檎の芯をスケッチしてる
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十六夜の職員室へ返す鍵
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雨ばかり続く世界で陶製の ひばりを胸に住まわせている
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先頭の車両はすいて 一人分の夕陽が隅の座席にすわる
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陽炎が アスファルト に居座るので 仕方ないから 風に秋を探してもらうよ
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綿の実や二十個ほどの青き静謐
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チェ、ゲバラが 背中を押している ちょっと待ってよ 相手を間違えています
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しゃんしゃんと落ちる前髪 はつあきに 鋭くなっていく夜の語尾
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太陽を壺につけ込むさみしくて
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人類の最大の発明は神である
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ポケットに手を突っ込んで、 青空を掴む。
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ジャイアンと呼ばれて 明日は大夕焼
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閉じられた傘の静かに泣くように 言ったっきりのたとえ話だ
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せいかつのせなか をしてる てんばんに ホケミ山古墳がやきあがる
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ネクタイで骨ごと縛っている夜も あまねく不敗神話がつづく
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言えなかった言葉ばかり 逃げ水の街
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桃と桃産毛同士の打ち合わせ
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愛してる だからトマトを四等分
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階段 みぎ ひだり みぎ 鴎 ひだり 波音が嘘になる前に口笛を吹く
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泣いてません 活断層の真上には 新台入替の旗は 一七本です
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割り算を思いついたのは 曇りの日 庭のよもぎをつんでいたとき
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濡らすために用意された浴室の 椅子に六月が腰を下ろす
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分け隔てなく失恋な人
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意識という操縦席は海の底
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堕天使の初心な善意に苛まれ
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あい、まい、みー、まいん 義妹の踏む饂飩
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セーラム みんな 帰った部屋で一人きり ずっと歌ってたのにって顔…
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なつかしき訛などなき郊外に 液体だつたわれの輪郭
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でもなぜ 夏は巨きな彫像の 私が触れた葬列の袖
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思春期のセキレイみたく踊れます
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永遠が永遠を呑むさびしさよ 海のちからを肉眼でみる
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ホスピスの庭で小ぶりの向日葵が 毅然としてたのは覚えてる
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月には月の戦があってそのことと 誰も無関係ではいられない
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本心に到れば夏の田園で、 二両編成にて只中を
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昨日見た夢の話を分け合って 指先へ来る 蔦のひとすじ
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