一次選考通過作品
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鉄塔が秋の西陽に埋もれるまでを かしこく生きる僕たちだった
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いつまでも いつまでも電車に手を振って在る 子供
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貴方が 孤独を砂漠に例えるとき 私は無数の砂粒で 衣にもなってあげられない
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よく通る道に新宅秋桜
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俯いたエノコログサの柔らかさに 赦されている
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ピザまんに奥日光がいる夜半
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キャリーケースを持った人々が 電光掲示板越しに 台風を見ている
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実力で友情をやる 自転車で左折するとき伸びる右脚
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マグロを積分しようとして微分
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鉄道草そら映してるゲバラの眼
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帰るなり飯を求める弟の 獣としての毛並みつややか
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宿題はもらったばかり青林檎
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福音になりたかったね、銀木犀
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晩夏光 小雨に死後の匂いする
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身長をなるたけ盛ってメーデーへ
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秋風と共に 呼吸するカーテン 連休で編み上げるマフラー
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星だけが正しいような眼差し 死ぬまでにうつくしくなればいい
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間違えた夏の入り江に 十月は ベースラインを鳴らし続ける
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! 訳すれば、雨
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秋の昼きみのピクルスまで食べる
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当たり前の天の川が つまらなかったので 余計な仕種を一つ 付け加えた夏の夜
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靴下の穴をかがってみた ぽかんとした静寂が 一針ごとに口を噤んだ
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大雨の後って プールに入った後みたいな気分
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退屈に絶望したふり秋の暮れ
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丁寧に整えられた爪をもつ 指先がまた林檎に触れる
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証明写真だけが 迷いのない顔をしている
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秋風に混じるお線香の匂い 彼岸を思う 晴れのベランダ
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眠りの 百合のように白い 黄金虫
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雨上がり 虹に雌雄が あるように 左右に暴れる スプリットタン
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傘さして死去を知らせる秋の夜
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アイスコーヒーに 氷が溶けてしまう のを 発明のように 見守っていた
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運動会足の向こうに友を見て
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椿の実今なら言えるホントの事
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右目ひだりめ家庭をおやめ
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右耳の螺子が外れているようで 揺れる空気の入口がない
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言霊について話をした 話すたび神様が増えて 病棟は夜通しあかるい
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済の字の並ぶExcel まぶしくて ときどき海を混ぜては消した
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ふたりして、したがって ふたりするならば、 ふたりでしたがった雨の乞い
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この街で一番軽い良夜ください
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少し雨 ホームの端が夕暮れを 隠しきれないぐらいが好きだ
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