僕の名を テプラも覚え始めてて 春は眩しい密室である
ジェットコースター点検階段の 最上段で 天使が泣いた
不細工な白鳥の子は 人が乗り 自分がスワンボートと気づく
空室の観覧車では 陽だまりと春の気流が 内緒のはなし
僕は人より小舟寄りな気がしてて 帆を揚げるようセーターを干す
気まぐれに陽射しは彼らを 貫いてひらいた身体を たべて、ひかって、
ゆきふる ろうそく のとけた におい
祖母の名は陽子といった 僕もまた きっと誰かの素粒子である
濡れたアスファルトに 朝陽は散らばって 魔法瓶の底にいるようだ
肉体と現世を繋ぐ枷として 正確に張り詰める鎖骨は
死 な なくたって 星 に なり た い
ローマまで歩きたいなら 106日かかる グーグルマップによると
世界は今日も表面張力
不始末の生命が暴れておりますが
かなしいひと さみしいひと がいたことで 溶け続けてる椅子があること
この場所で 生きていくのよ君たちは コットンキャンディみたいな呪い
いわし雲の等間隔を埋めよ 男子生徒のバリトンサックス
水平線を断頭台にして眠る
果樹園でぽろぽろと泣く男たち
かみさまから したらぼくたちPCの キーボードにある埃みたいね
枕に耳を当てる。 心音がきこえる。 誰の心音だろう、と思う。
信じるこころが いちばんこわい
自由には二種類あって ゼリーみたいのと どんぐりみたいの
ぽるぽると向こうで 電話、なっている
銃火器のGが想像できなくて 輪ゴムをぴん、と張っている指
貴族になりたい。 晩夏です。
小麦粉がぶちまけられて 夕立はコンクリートに とろみをつける
そっと手を重ねるような薄暑光
寂しさに意味はないんだ 意味はない 言葉にすれば意味はなくなる
水面で弾けた光の粒たちが 海はビーズと教えてくれる
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