一生に腐すつもりなんて
一匙もないけど
笑えない冗談は口に苦いし

明日やる　
四十言ったら　
夏終わる

さがしもの
さっきの言葉と
やさしい心

出会いとは
計算された
シナリオだ

雷鳴が
中でも外でも
鳴り響く夜

今日の空と
昨日の空の
青がちがう。
この色は
今日だからできた色。

公園の果てまで散歩してしまい
ここも世界の終わりと思う

かちかちと星が鳴る夜
おもしろい転校生の家に降る雪

私の頭はあかいぬの
櫺子の間を覗く街灯が
今は　あんなにも　虫の声

海を開ける、レエスカアテン
万年筆のインクが切れた

縋る、灰と蜜蜂
三番線の未来に
絶望、あのね、
―――こんな歌は嫌いだ―――

壊したくない空間は
　自分の手にあって
壊したくなる空間は
　誰かの手にある

いつか見た夢に魘されて
空想の中で生きていた
たった一人の
　空　

試したい
轢かれちゃうのか
　　　に惹かれて戻れなく
なりたい

ユートピアかもね
雨ばっかり降って
あなたの部屋で一生暮らす

地球儀は丸すぎて嫌ソーダ水

電信柱果てて
ここから星の街

夜明け前の

充実　孤独　虚無
ぜんぶわたしになってゆく
微かな脈拍

迷惑メールの相手に愛されたい

地雷原より
蝶の生まるる夜明けかな

サイダーの零れて初めての渇き

実はもう世界は終わっていて、
それでもまた、
待ち合わせをしますか？

遠くから見て雷の
乗り物があったらいいね
自転車
くだる

良い人でいるのは罪だ
嫌いだと言えず半分捨てる大福

本抱え図書館でれば
止まってた時間が動く
濁流の蝉

砂浜に
ふたつの歩幅
消える跡

指輪曇る
窓辺の露見て
爪を切り

帰り待つ
ツバメの子らと
天龍寺

梅雨寒の兄の右腕届く朝

雨季そして
たのしい駅になりたいな

エプロンを着た元同級生
レジ打ちと静寂と呟き
ヒサシブリ
保冷剤代わりの言葉

裸眼でしか見えないもの
探しながら

瞬きで象牙の壁をぶっ壊す

ガラス越しの都会
薄くなっていく
私

あなたが知らないことを知りたい
私はあなたの全てを知らないから

肘についた髪の毛が
虫のように思えて
ぴしゃりと手を振った
しばしの別れ

洗剤に埋まる夢と 
相思相愛だと語りかけて
さぁ、どこへ行こうか

毎日が誰かの命日だと
君はそういうね
ならば地上をごらんよ

君はここで死んだ

生煮えの金魚
鎮痛剤を鱗が拒絶するならば
愚かな空を
水面からユルリと刺せ

カゲエの影に 
ヤスリ焦げ
美しい闇が息をする
私はきっとそこから生まれる

溶銑の井戸落ちた
ツツジ花 
裸足のあの子を
甘く誘っておいで

気の置けなかった貴女
四年ぶりね
プレゼントで辞書をもらう気分

卯の花色に飛び跳ねダンス
捻れて、穂先と全身
語らない気持ちが現れる

薄暗がりに重なる足首
振り返るなと影に言われて
ポツリと遠くの薄明かり

思考が追いつかない望み
バスに揺られて辿り着く

死は選ぶ
答えのない問いに
追い詰められた人を

還りたいことを秘めている
日照りを眺め
枯れ葉がひらひらと

川に映る街から快晴だと知った
飛び込んで、変わらぬうちに
戻れなくなる前に

選択問題のような世界の中で、
問題用紙を破くように生きたい。

嘘をよく見抜く君の嘘を
私は見抜ける。

毎日遺書を書き遺して
学校に向かう。

長い人生という宇宙で、
孤独感という重力に
引き寄せられた。

私は光。

あなたがわたしの
隙間なく埋めるように
わたしはあなたを
隙間なくつつもう

カラフルなドミノの一番最初とか
私を好きな子の背中とか

忘れては新しくしてまた忘れ
梅雨どきの傘みたいな恋だ

路地裏に隠れてる室外機ですら
撮られて嗜まれる世の中を

心臓はオブラートに覆われている
針とかナイフは全然刺さる

もがれた蝶の羽　私と同じ
もう飛べない

私と言う名前のパズル

どんなに探しても
最後の一つが見つからない

「うるさい」と叫んでも
鳴き止まないから
同じくらいの大きな声で
私も泣くの

コンクリートジャングル
残機が増えた気分でしょ？

ねえわたし
不死身なのかもしれないよ
死んでみないとわからないから

この先の
道を曲がれば透明な
犬がいますので可愛がること

かたちなんて
いつか意味がなくなるよ
ドアノブひねるのバカみたい

丸い月を齧る
おまえなんか林檎だ

愛は執着に
恋は依存に
それぞれに花束を

ことばになりたい。
たとえば、あ。い。
そして、あなたは？

古本屋
コンビニエンスに
敵わない
便利な世の中
それでいいのか

さっきまで
青かった
水平線

栄養成分表示
エネルギー、0カロリー
タンパク質 脂質、0グラム
寂しさ、千夜

「誰？」をのみこむ僕と
液晶に照り映えるきみの笑顔

しみったれた純情で
彼の指輪を溶解して

火でも沸く電気でも沸く水　無傷

流れかれ　やがて川の名奪われる

血圧の低いキリン
ここでは飼えない

明るくて見えない　
闇でこそ目をひらく

鬣も角もない獣が書く詩

絶やされた火の跡をみた日の骨接

造花に蝶がとまるか賭けてみる

海に降る雪　主語のない告白文

制服のまま寝る　寒天は影も透明

体に窪みありつつ寝る　汽水域

文字を持たない虎一頭走る　心を

光らしてみたが正解かわからぬ夜

11階の着られてる感

頬骨に溶けたばかりの霜柱

二十年前の日記を清書する

近頃はここが聖域
シンデレラの落とした靴も
プラごみに出す

油蝉じゅわじゅわ街は喪服みたい

まぶしいってひびきはいい
でもまぶしいときって
大抵ブスだけど

まだ寝てていいよ
終点で
誰にも内緒で
おりたらいいよ

有名な喫茶店へ行ったわ
辞書味のブレンドを頂いたの

蝉がうるさい
クラスの男子だと思うことにした
余計うるさい

てるてる坊主になんか頼まない
自分でなんとかして見せるから

だって
縮んだ都会を見て
何秒で落ちられる？
って聞く女よ？

街灯に群がる蛾と私とでは
そんなに何かが違うのかしら

もっと自由にと思う頃には
シャンプーでも流せない不自由が

正解のない世界だけで
正解のない世界だけで生きたいよ

こちら天然パーマ！
こちら天然パーマ！
おそるべし日本の梅雨！

祖国


落花と
蝉の声

気持ち

体を動かしては
不安の場所を変えている

社会への驚嘆

仮面の下からはみ出した
毒針を持った蜂の群れ

無意味

詩を書き溜めた
このノートにも蟻の群は這い回る

不在

ぼくがいないことを
惜しんで欲しいと願う星がある

恋愛

砂漠は君の名前
双丘をなしたかと思えば
夜には窪地になってしまう

死

指先を空へと向けて描いた夢

絵空事が
パーテーションを置いていく
事実が観えない

発狂

無限の表皮に触れたとき
思考のすべてが悪寒した

リハビリ

失われた外界の色彩を
取り戻していく
外界は内側も兼ねている

エデンには

オリーブと鳩のレリーフなど
飾られてはいない
ただ真実があるだけ

望むことはその人を心に
留め続けるという才能

ひまわりの花言葉は憧れ
僕の背よりも高い

眠っている

おじいさん
カテーテルから夢注がれて
手の静脈の青さ引き立つ

聖人


宝石を投石した功績

どっちの窒息？

息ができないのか？
それとも
食事が喉を通らないのか？

球児たち白球を追うこの夏は
一球ごとが彼らの青春

一音に魂込めて吹いていた
フルートの感覚今も手にあり

さよならがずっとこないのは
　指輪に遺した歯型のおかげ

転生用唇#79Corail
また会う日まで

人工甘味料まみれ
　虫歯になれない初恋

選択肢増えて悩みが増えました

ここではないどこかを探して
どこにも辿り着けずにいる

言葉のしっぽが気になって
ねこじゃらし
庭から盗ってきてほしいな

うっかりシャワーで流した
シャンプーの泡に探すのは
匂いさえ知らないあれ

反対は？
聞かれて書いた
鏡文字

出会いとは
計算された
シナリオだ

夕顔を
数えて歩く
帰り道

携帯電話なんていらない
冷たい水が
イッパイほしい

雷鳴が
中でも外でも
鳴り響く夜

今日の空と
昨日の空の
青がちがう。
この色は
今日だからできた色。

公園の果てまで散歩してしまい
ここも世界の終わりと思う

だめだった会話を思い出しながら
きらきら光る川を見にいく

最悪の夢から醒めた真夜中の
手がピーナッツバターの匂い

西口の改札抜けて
「先輩」
と呼び止められる冷えた秋の日

冷蔵庫無精卵は凍えてる

いつか見た夢に魘されて
空想の中で生きていた
たった一人の
　空　

試したい
轢かれちゃうのか
　　　に惹かれて戻れなく
なりたい

ユートピアかもね
雨ばっかり降って
あなたの部屋で一生暮らす

夢いっぱいあって
呼吸がたりなくて

それはかつての窒息だった

電車から見えるおおきな街の脈
祈りのなかで

　　　　　　　落下してゆく

地球儀は丸すぎて嫌ソーダ水

電信柱果てて
ここから星の街

ていねいにつながりを消す
はずだった　
空き瓶に唾液だけが残る

花火を終えて
ここはまだ
夢

迷惑メールの相手に愛されたい

地雷原より
蝶の生まるる夜明けかな

サイダーの零れて初めての渇き

照明の紐がゆらゆら揺れていて
身体の朽ちるはやさの
ソナタ

実はもう世界は終わっていて、
それでもまた、
待ち合わせをしますか？

ナゲットのマスタードが
青春でした

世界から
採用されない心地する
何通目かのお祈りメール

雨音に問いかけられる
Que sais-je?

答えも出せず踵は濡れる

良い人でいるのは罪だ
嫌いだと言えず半分捨てる大福

満たされぬことへの希求
山盛りにいつも入れちゃう
お鍋の具材

夏休みの三番線に立つ妖怪

本抱え図書館でれば
止まってた時間が動く
濁流の蝉

にえたぎる
いかりのむこうに
こすもすのはな

砂浜に
ふたつの歩幅
消える跡

指輪曇る
窓辺の露見て
爪を切り

海の日に
僕は翼を
手に入れる

迷い道
心通わす
京小鉢

色を愛で
模様を広げ
雨を待つ

梅雨寒の兄の右腕届く朝

貯金箱に貝殻混じる
夏至は夜

紫陽花の裡まで身投げの血が届く

雨季そして
たのしい駅になりたいな

夕立にさらす火傷のくちびるを

地べたの汚れに
別れを告げて
彼女が履いたハイヒール
潰れた木の実と同じいろ

蝉色の産毛を
狂おしいほど
触って咳した
12歳最後の日

ガラス越しの都会
薄くなっていく
私

何も言わない優しさ
何もしない努力
何かを忘れる
午前四時

あなたが知らないことを知りたい
私はあなたの全てを知らないから

私の心は2進法
あなたの白髪を
数えては
去りぬ月日を指折り嘆く

毎日が誰かの命日だと
君はそういうね
ならば地上をごらんよ

君はここで死んだ

猫のように
汚れた場所に舌が届けば
君はもっとよく
私を見てくれるのだろう

生煮えの金魚
鎮痛剤を鱗が拒絶するならば
愚かな空を
水面からユルリと刺せ

夏とその次の境は
スイカの皮と実の
酸いも甘いも
ぎりぎりまで歯型

３秒ルール
引力ふやける洗い場の
角から落ちる私にも
効力を発してくれないか

曲った指を歩いている
綺麗だと思った
まだ居るから
目に懸る髪は揺蕩う

帰路につく
横断歩道は乾いているが
霧雨に淡く温もりが灯る

気の置けなかった貴女
四年ぶりね
プレゼントで辞書をもらう気分

歓喜が詰まった私の頭
ちょっと突けば
飛び散るわ

きっと貴方は満悦至極

卯の花色に飛び跳ねダンス
捻れて、穂先と全身
語らない気持ちが現れる

蝉の声が心地いい
きっと今
僕は寂しい

死は選ぶ
答えのない問いに
追い詰められた人を

川に映る街から快晴だと知った
飛び込んで、変わらぬうちに
戻れなくなる前に

選択問題のような世界の中で、
問題用紙を破くように生きたい。

嘘をよく見抜く君の嘘を
私は見抜ける。

毎日遺書を書き遺して
学校に向かう。

あなたがわたしの
隙間なく埋めるように
わたしはあなたを
隙間なくつつもう

朝方、
卵を焼いたつもりになって
夜の三日月を
火にくべている

抜き身の心で歩く街は
いつも往来に傷がつく

カラフルなドミノの一番最初とか
私を好きな子の背中とか

忘れては新しくしてまた忘れ
梅雨どきの傘みたいな恋だ

路地裏に隠れてる室外機ですら
撮られて嗜まれる世の中を

心臓はオブラートに覆われている
針とかナイフは全然刺さる

上空を常に旋回する鬱が
急降下して世界が終わる

浴室にボディソープが香ったら
不幸な私が死んで幸せ

雲の隙間から　一筋の光

その光を掴んで
私をどこか遠くへ連れていって

走れ、走れ、走れ
ただひたすらに、走れ

振り向いても
誰も見えなくなるまで

私と言う名前のパズル

どんなに探しても
最後の一つが見つからない

歪んだ隙間を隠すように
長いスカートをはく

「うるさい」と叫んでも
鳴き止まないから
同じくらいの大きな声で
私も泣くの

ねえわたし
不死身なのかもしれないよ
死んでみないとわからないから

この先の
道を曲がれば透明な
犬がいますので可愛がること

かたちなんて
いつか意味がなくなるよ
ドアノブひねるのバカみたい

丸い月を齧る
おまえなんか林檎だ

ことばになりたい。
たとえば、あ。い。
そして、あなたは？

雨上がり 大きな鏡の 上に立ち
両手を広げた あなたは飛行機

栄養成分表示
エネルギー、0カロリー
タンパク質 脂質、0グラム
寂しさ、千夜

今吐いた血反吐を
袂にしまって歩き出す
Pairsの通知は来ない

日焼けで隠れる傷痕　夏の間

火でも沸く電気でも沸く水　無傷

重力も摩擦もない　実も実らない

白いババロア
花とよんでもいいならば

圧縮と解凍　破損ファイル多数

流れかれ　やがて川の名奪われる

「永遠」を「氷遠」と書く
水夫の手

ふと立つ棒
かつて木と呼ばれてたこと

鬣も角もない獣が書く詩

文字ってうねりじゃん
海だったのかもね

自分さえ重い　パーカー乾かない

造花に蝶がとまるか賭けてみる

海に降る雪　主語のない告白文

制服のまま寝る　寒天は影も透明

体に窪みありつつ寝る　汽水域

文字を持たない虎一頭走る　心を

光らしてみたが正解かわからぬ夜

こう見えて扁桃腺が水の泡

二十年前の日記を清書する

あんみつを額に乗せて悲しそう

ピンク雲
影ましていく
日暮の声

現代の
天使たちのうなじには
軒並み
バーコードが見え隠れしている

近頃はここが聖域
シンデレラの落とした靴も
プラごみに出す

油蝉じゅわじゅわ街は喪服みたい

八月の海にヘミングウェイといる

遠くなるハーレーの音夏の果て

まぶしいってひびきはいい
でもまぶしいときって
大抵ブスだけど

まだ寝てていいよ
終点で
誰にも内緒で
おりたらいいよ

九才の私には
宇宙が
世界のぜんぶが
わかっていたのにな

蝉がうるさい
クラスの男子だと思うことにした
余計うるさい

てるてる坊主になんか頼まない
自分でなんとかして見せるから

だって
縮んだ都会を見て
何秒で落ちられる？
って聞く女よ？

街灯に群がる蛾と私とでは
そんなに何かが違うのかしら

音漏れで
あなたの音漏れだけで
曲名を当ててみせるからね

こちら天然パーマ！
こちら天然パーマ！
おそるべし日本の梅雨！

あんな事件
そんな事件。
インストールされた
プログラム？
僕らの見えない戦場

気持ち

体を動かしては
不安の場所を変えている

就寝前

うずくまる明日への不安が
跳躍しようと屈み込む

カクテル

それはミニバラの名前
そして僕の幼いころのおもいでの
完全な要約

名を知りたいのは
黒い四つ羽のとんぼのようなもの

林道

笹のような草葉の劔に
私は道をつくっていく

午後一時

車窓が濃い緑を映し出すたび
僕の体が
黒々と浮かび上がる

発狂

無限の表皮に触れたとき
思考のすべてが悪寒した

苦悶

虫の音しか聞こえない
点滅していく青信号に
何かしらの符丁を探り出す

幸福

朝顔が開きそうだ
今なら
担任の名が思い出せそうだ

みんな覚えていると思います

カブトムシゼリーの匂い

眠っている

おじいさん
カテーテルから夢注がれて
手の静脈の青さ引き立つ

夏

歌人に突きつけられた
白か緑か夜かの三択

胸郭を開いて生きてみたい
脾臓までも野ざらしにして
まっすぐ風をみつめたい

山と売れ残る福島の桃
押されて傷んでいる
ぐずぐずの桃は
福島から来た私だ

定まらない気持ちを形に
するように
真夜中のミシンで
ワンピースを縫い

一音に魂込めて吹いていた
フルートの感覚今も手にあり

さよならがずっとこないのは
　指輪に遺した歯型のおかげ

転生用唇#79Corail
また会う日まで

人工甘味料まみれ
　虫歯になれない初恋

人間のエゴの詰まった黒トマト

だめだった会話を思い出しながら
きらきら光る川を見にいく

最悪の夢から醒めた真夜中の
手がピーナッツバターの匂い

かちかちと星が鳴る夜
おもしろい転校生の家に降る雪

電信柱果てて
ここから星の街

花火大きくてレジャーシートにも
ほら

貯金箱に貝殻混じる
夏至は夜

夏の雨まゆ毛を抜いて庭に撒く

梅雨きみは新幹線の真似をして

かたちなんて
いつか意味がなくなるよ
ドアノブひねるのバカみたい

造花に蝶がとまるか賭けてみる