感電のような寝不足青嵐
恋心みたいな朝日小鳥来る
咽頭を十指で軽く抑え付け あなた煮詰めた花梨のようだ
牙をむくように あなたを好きでいる
冬の月明日はわたしの誕生日
眦にきんと冷たい初日の出 毛布と床の間のからだ
贅肉も恋もいらないおとめごころ 花屋でバイトしたい火曜日
人はみな こころに花の芯を持つ 爪先つんと上向きながら
朝焼けが似合う街にも夜が来る 作り笑顔を閉じるみたいに
指先に身を固くして 君の前では 新品のノートのようだ
金魚鉢からててぽぽと泡の匂い
組んだ手は 白い蕾のごとく在る
上下関係なんて 気にせず後輩は 宇宙と交信しながら帰る
自転車のカゴに メモ帳、うまい棒 水平線に呼ばれて走る
長女って言葉にごんと 大岩のあって 夕立駆け抜けていく
マスクの子 集まってまた 離れては 花占いにいそしんでいる
とん、とんと叩けば きのこスープとか 作ってくれそうな 家ふたつ
おまえ、って呼び方にある 巣の雛を かき抱くよな なまぬるい熱
空想の世界にペンの染ひとつ
揚げたてのコロッケっぽい犬拾う
教室の窓から落ちる ひかりには 踏みにじりたくなる音がある
ドライアイ眇めて蝶のゆくえ追う
砂糖菓子まぶしたような 公園の広場 名前を 脱ぎ捨て 走る
冬の風には 結晶があるような 気がして息が止まってしまう
整った字を書く人は新緑の 気配を伸びた背中に抱く
保育士の赤鬼二匹しゃぼん玉
手拍子の花開くよに 崩れゆく 祖母の背何度、なんどさすれる
母さんに告げぬ決意があることを 知らぬ母さん 白百合の花
卵割ったらどぅるんと夕日
流行は移ろう波のようなもの 冷製パスタ、なんて 食べない
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類