老眼の度数の進みは死の香り 百日紅はニヒルに揺れる
馬鹿とだけ書かれたLINE 寒波来る
さよならは水色だよね秋の蝉
帰るころお土産渡す温め酒
つくつくし貧しくっても君がいる
十年後横にいるのは僕じゃない 花火見ながら君はうそぶく
老人に席を譲った木曜日 アスファルト下に金の斧あり
次死ぬの誰なのだろう鳳仙花
ミサイルの飛ぶ方向へ雁渡る
恐竜の絶滅を知るみぞれ雪
釣瓶落とし恋しないまま五十年
居待月君のくるぶし型にとる
登山道右は地獄で左崖
濡れる君傘さしだすほどの 仲じゃなく なすすべもなく濡れた髪見る
獅子舞が大衆をすぐ噛む理由 それはおそらく悔しいからさ
二冊目のテキスト終わり小鳥来る
春の雷悪い子探す響きあり
蛍よ蛍ここでは何番目に 僕は死ぬの
太陽に光る簪水蜜桃
出会った日すでに忘れて花がるた
空地に無機質なマンションが建つ 一家離散の空き家の後に
金木犀君のくるぶし見ていたい
危ないよ歩道においでアゲハ蝶
殴られて君の残り香血止め草
鈴虫のトンネルの先ワープ谷 帰ってきた者はなく
ビジネスとしてつきあうが 午後は殺し屋待っている
弾丸の飛ぶ方向に散る紅葉
老人を探す放送秋夕焼け
テキストに落書き多数破蓮
試験まで爪噛まないぜ草紅葉
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