旅という迷宮に鑿西行忌 *2月15日(=涅槃会)を 西行忌とする。
早春のキオスクで購う喪章です
網棚の東スポの皺余寒です
公魚は真珠色して光悦忌 (寛永14年2月3日没)
日脚伸び一鍵欠けたトイピアノ
ニクロム線 赫く憤(むずか)り義仲忌 (治承8年1月20日没)
花時計雪に埋もれてリンネの忌 (1778年1月10日没)
硯海に荒星泛かぶ良寛忌 (天保2年1月6日示寂)
刎橋(はねばし)の 原理あきらか去年今年
近松忌貫目足らずの若頭 (享保9年12月22日没)
変声期冬至の夜の英語塾
羽根を持つ天使も餃子も鯛焼も
回想の濾過紙に残る冬北斗
魂の音叉を鳴らす寒昴
黒鍵に冬の星屑冬の塵
冬銀河おおかみのゆめひとのゆめ
冬銀河山窩の裔の夜の旅
ワーキング・プアの讃美歌 討ち入り忌
罪に似せ引く寒紅のざらついて
道迷うケンタウロスへ冬椿
寒き燈を巡る無口な点灯夫
冬の凪今朝捻挫して麒麟来ず
冬木傾ぎ仕置きのように山羊繋ぐ
産月の馬屋に墨の香雪来るか
雪催行使認容黙秘権
倫敦橋落ちる気配か雪催
ペソア忌に厠の窓から家出する
蝉氷掬う手の影ペソアの忌 (1935年11月30日没)
歩きつつ嵌める手袋会社売る
冬うらら手脚を伸ばす蛸と烏賊
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