盛観は星と木ノ実のかくれんぼ

付箋貼り足す小春日の白昼夢

雲の流れとは反対に
どんどん思い出が
遠ざかって

青い薔薇　ちゃんとわたしが
怒るのに要る歳月と喉の筋肉

　　　　切り断った
　　前髪の　バリケード
　濡らす
　　し　
　　　　ぐ　れ

はりつけの貴方に
足枷
もうひとつ
百円ワゴンのクリスマスキャロル

ワンピースの裾
青色の波、揺らめいて
言葉にならない
あなたの目のなか

真っ直ぐに割れる板チョコ冬深し

黄昏れ時
心は彷徨いだし
孤独に涙する

片羽の蝶　臨界の秋思超え

偶然に
鉄格子を免れている
女に触れたつもりが
それが樹木や石だということで

我
奨学金探す
あれ
我
歌を詠む

深海のショッピングモール集合
明日の十時
もちろん午後ね

消費期限を超えてくれ
冬の廊下の卵

境界線の中に落ちた優情を満月が
照らす

神保町が
からだのなかにあったなら
もっとよい羽布団をかぶる

痛くないと思えば痛くない

長さまちまちマッチがならぶ
街の懐かしマッチの坂道

秋日陰
すこしくすんだ
花卉のいろ

定点の点になっています　寒い

今日は星座占い一位だから
このまま
時間が止まって欲しい

クリスマスソング一曲ずつ昔

Resetという瞑想の動画見る
呼吸のリズム決められながら

眼科医にそばの花だと見抜かれる

一編のレポートだけでも繋がれば
彼に託しすぎて春雪崩

世の中にぽつんと
わたしひとり
シャツについたシミのように

耳たぶに揺れるピアスのような夜

猫のように
背をしならせて居る　
君のめがねの厚み
たった今知る

足を振り上げて自転車にまたがる
宅急便のお兄さんと目が合う

ベルベットの紫と
白く舞うレース
スポットライトを浴びて
小さなビオラになる

弔えば
淡いひかりの天蓋と
ともに
降り注ぐマリンスノー

おやすみを言霊にしてリボルバー

私から一番遠い物なのに
いつでも部屋に花が咲いてる

誤植に気づいた神が
慌てて起こした奇跡

鳩尾に中指を突き立てる
その率直さが
私を照らす

最後だから
話しておこうと思うんだ
何も
お前の物なんか何一ついらない

話したくなったら話して
サボテンの呼吸に合わせて
あげる水やり

見てよそこ
大きな街灯が光ってる
　　　　　なんだ普通の満月かよ

シーツから獣のにおい
母親はわたしと
縁を切りたいという

退屈の容れ物として毛糸玉

語ろう
いまを
悠く久しく巡る過去より未来より

寂しい街で寂しいまんまの
顔である

私が神なら
貴方の顔を星座にしたに
違いない

光と影がある
そのあわいは　どうなるのだろう
光にも　影にも
なりきれず

分かり合えないねと笑った君でも
卓球のラリーは続いて

どの顔も見分けられない紫陽花を
衝動で買うことを赦した

明かりがない濃紺の空
そっと肩を叩いた
あなたは大丈夫
朧月がやわらかく笑う

結果がすべてじゃない
わかっているけど
素直に聞けないときもある

売りものが分からなくなった
婆ちゃんが
この世の全てを手に入れてくる

かなしみはいつも涙になりきれず
海になりたい日の塩むすび

冬風に
尋ねてみても
逸らされて

つらかった
第一志望のお祈りメール
推しの歌で前を向く

ひとを殴ると後悔する
でも殴る
自分のこころを　殴らないから

燃えさかる
う歯を
形見にしてしまえ

きみが折ったみじかい氷柱
さみしくない

暖冬のあいまで気づく冬薔薇の
暖かければ明るい表情

かぶら汁ふむふむあれが倫理観

葉牡丹を
サニーレタスと言い張った
あの娘と今度ランチに行くの

ぎんいろの魚は群れて

チョウザメは
ひどく寂しいことだけわかる

鳥になり食べてみたいと思ってた
小学校の通学路の柿